桜は『散る』。
梅は『こぼれる』。
椿は『おちる』。
牡丹は『くずれる』。
「花」によって終わるときの表現が違います。
それが日本語の美しさですね。
「有終の美を飾る」といいますが、命あるものの「終わり」をかくも大切に扱っている言語は少ないと思われます。
それだけ日本語は、いや日本人は、万物に宿る「命」を大切にしてきた国民だといえるかもしれません。
人が死ぬ表現でも、英語では「die」だけですが、日本語では調べてみるとこんなにあります。
他界、臨終、逝去、昇天、永眠、物故、逝く
亡くなる、世を去る、鬼籍に入る、あの世に行く、冥土へ旅立つ、不帰の客
仏教的表現ではこうなります。
往生、成仏、入滅、入寂、遷化
キリスト教的表現だと。
帰天、召天
※位の高いヒトの表現。
身罷る (みまかる)、お隠れになる
※皇族や三位以上の公家の死。
薨去 (こうきょ)
※天皇や皇帝の死。
崩御、登霞
いやはや何とも「有終の美」はややこしくもありますね。