若かりし頃のボクは明らかに『ドンキホーテ型』だった。
理想を追い求めるあまり、分別に欠けたり誇大妄想に陥ったりする性格。
これはツルゲーネフさんによって打ち立てられた概念だ。
新明解国語辞典:第6版にもこうある。
ドンキホーテがた【ドンキホーテ型】
空想的で無鉄砲で、正義感が徒(イタズ)らに強くて行動的な性格。⇔ハムレット型
反対の概念は『ハムレット型』である。
決断を下して行動に移るよりは、むしろ懐疑や苦悩にこもってしまう思索的な性格。
ところで。。。
シェイクスピアの悲劇「ハムレット」の初版と、セルバンテスの「ドンキホーテ」とは17世紀の初頭、全く同じ年に出ました。
ハムレットとドン・キホーテは理想に対する二つの異なった態度を示している、とツルゲーネフは書いています。
ドン・キホーテはそれを外部に求め、ハムレットはそれを内部に求めます。
熱狂の人ドン・キホーテに対して、ハムレットは懐疑の人です。
ドン・キホーテはほとんど読み書きができませんが、ハムレットはたぶん日記をつけております。
ドン・キホーテとハムレット。
どっちがいいのか悪いのか?
どっちもいいような悪いような。
ただまあ、無鉄砲で向こう見ずな、ドンさんのような行動だけはそろそろ卒業しなきゃね。
で、思索的とはいかないものの、多少は分別のある知性のあるハムさんみたいな大人にならなっくちゃね。
今日はボクにとって「ドン」と「ハム」の境目。
今日まで54歳、明日から55歳ですからね。