悪趣味・悪魔主義。

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悪趣味とは、俗悪な趣味のこと。
また、人のいやがることを平気でやること。また、そのさま。

別に誰の何を見たからではないですが、そうはなりたくも、呼ばれたくもないものです。
(と、軽く悪趣味は片付けといてと・・・)

似たような表記の言葉で「悪魔主義」って知ってますか?

あくましゅぎ【悪魔主義】

人生の暗い面を描き、悪そのものの中に一種の美を見いだそうとする、文芸上の一傾向。ポー、ボードレールらがその代表。(新明解国語辞典:第7版)

エドガー・アラン・ポーはアメリカの小説家、詩人。
シャルル・ボードレールはフランスの有名な詩人。

「人生は一行のボオドレエルにも若かない」

そう書いたのは芥川龍之介です。
『或阿呆の一生』の中に出てきます。

主人公が本屋の書棚にかけられた梯子の上から、本の間から覗かれる店員や客を見下ろしたとき、ふと、彼らが小さくみすぼらしく感じられたために発した警句。
人生は、所詮、ボードレールの詩の一行(芸術の一片)にも及ばないという意味です。

『或阿呆の一生』は、芥川が自殺する約1か月前に書かれた遺稿の一つであり、芥川の芸術至上主義的な、厭世主義的な人生観が感じられます。

芥川は、人生の、そして時代の「漠然たる不安」にさいなまれ続け、昭和2年(1927年)に自殺。

『或阿呆の一生』は、その昭和2年(1927年)の芥川自殺後に見つかった文章で、自分の人生を書き残したといわれているそうです。

さて、この「人生は一行のボオドレエルにも若かない。」

この一行は、いい意味でもそうじゃない意味でも、後の世の多くの若者に影響を与え続けました。

今日4月9日は、作家:シャルル・ボードレールの誕生日です。

(追記)「若かない」はもちろん「しかない」と読むんですよ。
これを「わかない」とか「わかかない」とか読んではいけません。
ええ、もう若かないことは確かなんだけどね。。。

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