近藤正臣さんは昔、足の指でピアノを弾けたものだ。
それから、自分の名前を、恐らく世界で一番気障(きざ)に言える人でもあった。
「コンドーです!」
何の変哲もない自分の名前を、かくも毅然と、かくも気障っぽく言える人はいない。
ボクが「イトーです!」と言ったところで、何がどーしたというのだ!
さて、いきなり字画の多い、挑戦的な四文字熟語を出す。
「喧喧囂囂(ケンケンゴウゴウ)」
「口やかましく騒ぎたてるさま」「たくさんの人がやかましくしゃべる様子」を表す言葉。
次、これ。
「侃侃諤諤(カンカンガクガク)」
「正論を吐いて屈しないさま」「みんなが率直に意見を述べて議論している様子」を表す言葉。
ではこれはどう?
ケンケンガクガク。
そう言いません?
ケンケンガクガク。
ねえ、そう言いますよね。
言わない?
ではここで、足の指でピアノを弾ける人にご登場願いましょう。
白黒はっきりつけてもらいましょう。
Q:コンドーさん、「ケンケンガクガク」って言いますよね?
「コンドーです!」
Q:えっ?
「コンドーです!!」
Q:あんたの名前じゃなくってさ。
「だから、混同です!!!」