Lo。
この言葉は英語だ。
記号のような言葉だ。
そして寒い言葉だ。
かなり寒い、凍えそうな言葉だ。
Lo。
呪いの言葉。
Lo。
ああ・・・。
この言葉を目にしたのは、
今朝、枕元にあったファンヒーターにスイッチを入れた時だった。
室内温度を表す、その液晶パネルには、
いつもは「4」とか「3」とか、
今までどんなに寒い日でも「1」が最低だったものだ。
天気予報士が、
「明日の明け方はマイナス5度でしょう」
などと言っても、その時でも「1」以下になったことはなかった。
だからボクは、この液晶表示の最低ラインは「1」なのだと勝手に思っていたのだ。
それが今朝はこうなっていた。
Lo。
なんじゃ、それ。
妻は最初何のことだか分からず、
「うそ、10度?」
などと、訳の分からんことを言った。
しかし、その言葉というか記号は、
「10」ではなく「Lo」であった。
すなわち、それは、「Low」の省略形であり、
これ以上の寒さは表示できませ~ん!
という、いわばファンヒーターの悲鳴。
叫びというか、SOSというか、ギブアップ宣言。
ファンヒーターがそうなら、ボクら人間はどうだったか?
気付くと、ミウラのボイラーだった。
機関車トーマスだった。
鼻から蒸気が「ブワ~ッ」と出ていた。
OH! Low&Low!
外気温マイナス8度の朝はこうやって始まったのだった。