苦肉の言葉、皮肉の言葉。

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苦肉と皮肉。

どちらも「肉」である。

「苦しい肉」のほうは「苦しまぎれに考え出した手立て」のこと。

「皮と肉」のほうは、「弱点をつくなど骨身にこたえる事をそれとなしに言う、意地悪な言葉」である。

どっちの肉もあまり美味そうじゃない。

肉が付く言葉には「骨肉」というのもあるが、これもまたあまりイメージがよろしくない。

骨肉の争いとか言うし。

どうせなら「肉林」のほうがいいね。「酒池肉林」サイコー!

もっとも、「肉林」の「肉」に「肉欲」の意はなく、女性に囲まれて大騒ぎをする宴というのは誤用らしい。

酒池肉林とは、酒や肉が豊富で豪奢な酒宴という意味なんですって。

まあ、どっちにしても凡夫のボクには羨ましいかぎりで。。。

さて、最近実際に身近で起こった話。

とある日本料理店におばあちゃんを連れて行った時のこと。

おばあちゃんは料理を運んでくる中居さんに、こんなセリフを連発していた。

「ほんとに変わったお料理ですね」

「実に変わったお料理ですこと」

「ほんとに珍しいお料理ですわ」

「実に珍しいお料理ですのね」

「これは食べたこともない珍しいお料理でした」

「今まで一度も食べたことのない実に変わった料理でございましたわ」

一見、料理を褒めている言葉にも聞こえるが、しかし、おばあちゃんは最後まで「美味しい」とは言わなかった。

デザートを食べ終わるまで、この類いの言葉をつごう37回連発したおばあちゃんだったが、結局、「美味しい」の4字は口に出さなかった。

そうなのだ。美味しくなかったのだ。

つまり、彼女の言葉は「苦肉の言葉」だったわけ。

何か言わなきゃと思う一心でひねりだした言葉が「食べたこともない」とか「珍しい」とか「変わった」・・・だったのだ。

しかし、隣にいたボクは、中居さんの気まずそ~な顔をチラ見しながら、こう思っていた。

おばあちゃん、それって皮肉だってば!

もう十分バレテルってば!

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