成人の日に贈る言葉。

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大好きな詩人、谷川俊太郎さんのサイコーに素晴らしい詩を贈ります。
それは今日「成人」になる人にもだけど、ボクらみんなにも伝えたいこと。

成人の日に  谷川俊太郎

人間とは常に 人間になりつつある存在だ

かつて教えられたその言葉が

しこりのように胸の奥に残っている

成人とは人に成ること もしそうなら

私たちはみな日々 成人の日を生きている

完全な人間はどこにもいない

人間とは何かを知りつくしている者もいない

だからみな問いかけるのだ

人間とはいったい何かを

そしてみな答えているのだ その問いに

毎日のささやかな行動で

人は人を傷つける 人は人を慰める

人は人を怖れ 人は人を求める

子どもとおとなの区別がどこにあるのか

子どもは生まれ出たそのときから小さなおとな

おとなは一生大きな子ども

どんな美しい記念の晴着も

どんな華やかなお祝いの花束も

それだけではきみをおとなにはしてくれない

他人のうちに自分と同じ美しさをみとめ

自分のうちに他人と同じ醜さをみとめ

でき上がったどんな権威にもしばられず

流れ動く多数の意見にまどわされず

とらわれぬ子どもの魂で

いまあるものを組み直しつくりかえる

それこそがおとなの始まり

永遠に終わらないおとなへの出発点

人間が人間になりつづけるための

苦しみと喜びの方法論だ

谷川俊太郎詩集「魂のいちばんおいしいところ」より

ボクのあだ名は「ことな」です。
こどもとおとなの中間人間という意味で妻が付けてくれました。

なので、この詩の意味がよく分かるような気がします。

永遠に終わらないこども。
永遠に始まらないおとな。

その「はざま」でいつも悩み、そして同時にそんな人生を楽しんでもいる。
いつまでもそんな「人間になりつつある人間」であり続けたいと思います。
つまらない訳知り顔の「おとな」にはなりたくありません。

谷川さん同様、ボクが尊敬するゲーテさんもこんなことを言っています。

(最上のこと)

もはや愛しもせねば迷いもせぬ者は、埋葬してもらうがいい。ゲーテ

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