わが家の向かいに住んでいる人は、町内会長の話によると、なんでも県の書道協会の会長を務めている「大書道家」なのだとか。
なるほど。
確かにおうちの玄関には大きな、畳一畳分もあるような表札がぶら下がっている。
もちろんそこには「大書道家の文字」で何やらでかく書いてある。
何だろう?
何て書いてあるんだろう?
ボクは読めなかった。
妻はもう少し賢かった。
「真ん中の字は薬か楽だと思う」と言った。
でも、そんなお名前じゃないのにな。
昨日、遠方からご夫婦のお客さんがみえた。
そして、窓の外に目をやって驚いた。
それが「表札」であることを告げるとさらに驚いて目を丸くした。
「うそ・・・」
と、言って絶句した。
そりゃあそうだ。
畳一畳分の大きさの表札など、そうそうあるもんじゃない。
「達筆ね」
と、言った。
さらにこう付け加えた。
「ところで何て書いてあるの?」
・・・・・・。
たっぴつ【達筆】
のびのびとしていて、風格を感じさせる字(である様子)。
「あまり達筆すぎて、よく読めない」(新明解国語辞典:第6版)
過ぎたるは及ばざるがごとし。
あまり達筆過ぎるのも困ったもんだね。