ちょい考。

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一昨日、映画『彼岸花』を観ていたら、佐分利信という山村聰によく似た役者が出ていた。

佐分利信は、石巻のおばあちゃんが大好きな俳優である。

山村聰が1910年生まれで、佐分利が1909年生まれであり、前者が90歳まで生きたのに対し、後者は73歳ぐらいまでしか生きていない。

さらに、出身地に詳しいボクである。それもしっかり調べ上げている。

山村は奈良県天理市、佐分利は北海道の歌志内村である。

佐分利の愛称は「サブリどん」であったが、山村の愛称は分からない。

いけねえ、いつまでボクは映画俳優評論をしているのだ! そーゆーことではなかった。

そうだそうだ。

ボクは「ちょい」について考えたかったのだった。

一昨日観た映画の話に戻る。

『彼岸花』に出てきた佐分利信は、子供である有馬稲子や妻である田中絹代に向かってこう言っていた。

「ちょいと、お前、俺のズボン取ってくれないか」

「ちょいと、あの男のところに行ってくる」

「ちょいとばかり、結婚は早い気がするんだが・・・」

女の人のセリフで、「ちょいと、お前さん」というのは割とポピュラーだが、男が、「ちょいと」と言っているのが、ちょいと気になったのだ。印象に残ったというか。。。

「ちょい」というのは、「少し」という意味でも使われる。

「もうちょい右」とか「ちょい呑み」とか「ちょい辛」とか言いますね。

あと「ちょちょいのちょい」ってえのもある。

「そんな問題、オレサマにかかればちょちょいのちょいよ!」みたいな使い方。

そして、長くなったが最後にもう一つの「ちょい」は「ちょいちょい」の「ちょい」。

ちょいちょい(副)

「時折・しょっちゅう・たびたび」の意の口語的表現。

「クジラの肉で最高なのは、なんといっても『尾身(オミ)』だが、さすがにこれを知っている人は東京にもちょいちょい〔=時折〕いらっしゃる。」(新明解国語辞典:第4版)

ああ、尾身がちょいちょい食べられる身分になりたい。

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