「悉皆的(しっかいてき)」とゆー言葉がある。
文字どおり「ことごとくすべて」とゆー意味である。
「悉皆職人」とゆーのは、例えば呉服では「しみ抜き」「洗い張り」「染め直し」「刺繍直し」「仕立て直し」など、呉服に関するありとあらゆることをする職人であった。
物をとことん大事にする妻が、今、包丁の修理を出している新潟は三条の「ただふさ」さんは、まさに「包丁に関する悉皆職人」といっていいだろう。
あと、最近妻が目を丸くしているクリーニング界の「スーパー悉皆職人集団」は山形県酒田市の「うさちゃんクリーニング」だろう。
防虫・防カビ・はっ水・しみ抜き・・・クローニングにまつわるサービスならなんでもござれ、サービス品目のマシンガン攻撃なのであった。
それを説明するオバチャンもまた「受付部の悉皆職人」であった。
こーゆー職人さんたちは本当に素晴らしい!
一方、「悉皆的欲求人間」とゆーものがあるとすれば、ボクはその代表格だろう。
気に入ったものは「なんでもかんでもみ~んな欲しがる」性格なのだ。
思えば子どもの頃からそーだった。
「仮面ライダースナック」のカードも「ことごとくすべて」欲しくて、スナックだけ何百個も買ったものだ。
しかしほとんどスナックの味は覚えていない。
札幌冬季五輪の時にペプシコーラが「競技マーク」の王冠というものを出していたが、あれも「ことごとくすべて」の王冠を集めたくて、ゲップが出るほど、ペプシコーラやミリンダを飲みまくったものだった。
「ウルトラマンの怪獣カード」もそうだった。ああ、あれはどこに行ったのだろう?
「切手収集」に明け暮れていたときもあった。文芸シリーズが好きだった。正岡子規の切手は高くて買えなかった。
そんな性格は今もほとんど変わらない。
諦念とゆーものがまるでない。
最後に、ボクが大学時代に作っていたロックバンド『ハンプティ―ダンプティー』のデビュー曲を聴いてもらいたい。
その名も『欲求ロール』。
もちろん作詞も作曲もボクである。
若さに任せてなんでもかんでも欲しがっている。
ああ、やだやだ。。。