しゃがれ声の妻が言う。
「あら、何だかワタシ、口へんに夏だわ」
分かりますよね。
口へんに夏で「嗄」(しわが)れる。
しゃがれるとも読む。
「口へんに夏だわ・・・」
妻は、声がしわがれたと言っているのだ。
口へんに秋という字もある。
「啾」(な)く。
小さな声ですすり泣く。
小さい子どもの泣き声。
鳥や虫などの(細く低い)鳴き声のことである。
口へんに鳥も「鳴」く。
確かに鳥はよう鳴くわなあ。
かあ、かあ、ピ~ピ~。うるさいもんね。
ところで、口へんに鼻ってありますね。
読めますか?
「嚊」。
かか、かかあ、はないき、と読みます。
はないきは「荒い鼻息」とか「いびき」のこと。
「かか」「かかあ」は妻をぞんざいに呼ぶ語。=嬶
鼻の悪いボクですが、まさかまさか愛妻をそんなふうには呼べません。
ボクの辞書では「嬶」は「おかかどの」と読ませます。