ゴースト~秋田の幻たち

『ゴースト~ニューヨークの幻』という映画があった。

陶芸家のデミ・ムーアは良かったが、その後ろからヌッと出てきて卑猥なことをする顎の割れた夫のほうはあまり印象がない。

こういう「偏った見方」をする傾向がボクにはある。

「ゴースト」っていいなあ、透明人間みたいに相手には見えなくて好き勝手できるからいいなあ、と思ったものだ。

まあ、それはいいとして。

ボクと妻も「ゴースト」である。

こちらは全然好き勝手できない「ゴースト」である。

一切名前は出ないところだけ「ゴースト」である。

依頼者が作者になってしまうため、あくまでも「黒子」であって、ボクらは一切脚光は浴びない。

依頼者に「脚光を浴びさせること」が仕事である。

そういう仕事をお互い長くやっていると、そういう原稿が世の中に出て、そこに自分ではない作者のコメントが載っていて読んだりする場合がある。

「へえ、そうだったんだ~!」

などと、自分が書いたことを忘れて、作者の「あとがき」に感心したりする。

そんな素直でかわいいボクらは『ゴースト~秋田の幻』たちなのである。

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