百日紅も夏の花。
排気ガスに強いから街路樹に見掛けることが多い。
「さるすべり」とは樹皮がツルツルしているから。
「ひゃくじつこう」とも読む。
この漢字が当てられたのは、木槿(むくげ)と並んで花の時期が長いからだとか。
花の時期が長い女優さんがいる。
ボクが子どもの頃から好きだった八千草薫さんである。
先日もテレビに出ていたが、幾つになっても相変わらず美しかった。
イメージは百日紅ではなく、ボクの中では深山に咲く白百合だ。
さて百日紅。
江戸時代の俳人、加賀千代女(かがのちよじょ)はこう詠んだ。
「散れば咲き咲けば散りして百日紅」
72歳まで生きた加賀千代女も、当時としては長い花を咲かせた一人。
「朝顔に つるべ取られて もらい水」
この時期の、彼女のこの句はやはり秀逸だ。
すりガラスの器に赤いかき氷、井戸で冷やした大きなスイカ、縁側の風鈴。
氷を浮かべた水玉模様のカルピス、麦わら帽子と団扇・・・。
幼い夏の郷愁。