ついに

その日がきてしまった。

おばあちゃんの「あんこ」は二度と永遠に味わえない。

ああ・・・

2人が愛していた「あんこ」とおばあちゃん。

でも

こうして、この日は、いつか来ることになっていたのだ。

同じように、愛する人たちからも、いつか、こうして「閉店のお知らせ」が来るのだ。

そう思うと、悲しくなると同時に、もっともっと、

その前に「あんこ」をたくさん味わっていたいと思う。

妻と果物を持って、その後、おばあちゃんを訪ねたが、留守だった。

あの「あんこ」を食することは無理でも、これまで十数年、最高に美味しい唯一無二のあんこと、おばあちゃんの笑顔と、優しさに、心から感謝の言葉が言える日が来ることを信じている。

ありがとう!

三吉堂。

おばあちゃん。

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