白河夜船で眠りたい。

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夏の朝。
眠い。
天気がいいと眠いし、曇っていても眠いし、雨だとなお眠い。

正直にいうと、夏の朝だけじゃなくて、秋の朝も、冬の朝も眠い。
「春眠あかつきを覚えず」の朝などは、許しを得たようなものだから、公式にことさら眠い。

そんなわけで、いつも眠いのがボクの取り柄だ。
取り柄はボク1人ばかりではない。
夫婦2人の取り柄ともなっている。

さて、冒頭タイトルの『白河夜船』についてだが、読書好きな読者の皆さんのことだから、まず「吉本ばなな」の小説を思い出すでしょう。
夜の底でしか愛し合えない私とあなた。
3つの中篇による“眠り三部作”のひとつである。

いつから私はひとりでいる時、こんなに眠るようになったのだろう──。植物状態の妻を持つ恋人との恋愛を続ける中で、最愛の親友しおりが死んだ。眠りはどんどん深く長くなり、うめられない淋しさが身にせまる。ぬけられない息苦しさを「夜」に投影し、生きて愛することのせつなさを、その歓びを描いた作品。

この文章は「新潮文庫のホームページ」より引用させていただきました。

ボクはまだ読んだことがないのだが、ボクらと同じ、眠い人を書いた小説らしいので、今度ぜひ読んでみたい。

さて、『白河夜船』という言葉。
いつもの新解さんにはこんなふうに解説されている。

しらかわよふね【白河夜船】

熟睡していて何が起こったか全く知らないこと。しらかわよぶね。
〔京都を見物してきたとうそを言ったものが、名所白河について尋ねられ、川のことだと思い、夜中に船で通ったから知らないと答えた話に基づくという〕(7版)

なるほど。
春夏秋冬、いつもボクは「白河夜船」でございます。何があってもゼッタイ起きないもんね。

永遠の眠りについた芥川龍之介へ弔辞を送ったのは、一高での同窓生であった菊池寛である。
これがその弔文である。

芥川龍之介君よ
君が自ら擇み 自ら決したる死について 我等 何をか云はんや
たゞ我等は 君が死面に 平和なる微光の漂へるを見て 甚だ安心したり
友よ 安らかに眠れ!
君が夫人 賢なれば よく遺兒を養ふに堪ふるべく
我等 亦 微力を致して 君が眠の いやが上に安らかならん事に努むべし
たゞ悲しきは 君去りて 我等が身辺 とみに蕭篠たるを如何せん
                                     友人總代 菊池寛

今日7月24日は、「芥川龍之介の忌日」であり「よしもとばななの誕生日」でもある。

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