裏切られた顔。

『日本語俗語辞典』によれば、

バックシャンとは、

後ろ・背中(背部)といった意味の英語”back(バック)”と、美しいという意味のドイツ語”schoen(シャン:左記は英語表記。独語表記ではschon(oの上にウムラウトが付く)と書く)の合成で、

後ろ姿が美しい女性を意味する。

ただし、後姿だけが美人(後姿で期待したほど顔は良くない)といったニュアンスが強く、褒め言葉として使われたもんではない(当時、正面から見ても美人という意味の対語:トイメンシャンという言葉もあった)。

しかし、シャンという言葉自体が使われなくなり、バックシャンも死語となっている。

ということだ。

確かに「バックシャン」は、「朝シャン」の流行辺りから、その座を奪われ、あまり使われなくなった。

ボクの印象では、言葉こそ使われなくなったが、「バックシャン」は今でも明らかにまだ存在していて、その特徴はこうだ。

1.年齢不詳だが少なくとも40歳以上の女性。

2.髪はストレート。

3.スカートの丈は若干膝上。

4.スラリとしていて割と足がきれい。

昔、エメロンシャンプー(かなり古い)というものがあり、ピンク色の液体が安っぽい容器に入って売られていた。

そのCMソングが「振り向かないで~♪」(タイトルは忘れた)というものだった。

振り向かないで~、札幌の人~♪

振り向かないで~、仙台の人~♪

振り向かないで~、東京の人~♪

振り向かないで~、横浜の人~♪

など、いろんなご当地バージョンがあったが、地名が「奈良」とか短いものだと歌いづらい感じだった。

それはいいとして。。。

今日、論じたいのはそのことではない。

「裏切られた顔」についてだ。

裏切るにも2つある。

いい意味と悪い意味だ。

早い話が「思った以上にいいね!」と「ちぇっ、見なきゃよかったぜ!」のバアイ。

感嘆詞的に言えば、「おっ!!!」と「あ~あ・・・」である。

エメロンのコマーシャルに出てくる女性に、まさか、そんな明らかな後者はいなかったが、巷にはそーゆー人があふれていた。いや、今でもあふれている。

ボクは若いころ、そんな「バック」の「シャン」たちに何度裏切られ、何度だまされたか分からない。

「すいませ~ん」と後ろから声を掛け、振り返ったお嬢さんに、「あっ、人違いでした~!」を繰り返してきた。

世の中、なかなか思い通りにはいかない。

「後姿」と「顔」がほぼ一致しないように、「声」と「顔」も悩ましい関係だ。

このバアイ、いい意味で裏切られたたった一つの例が「ザーサイ」いや「ラード」いや、「ZARD」だ。

彼女は顔をほとんど出さなかった。

普通、こーゆーバアイ、悪いほうに裏切られる可能性が大だ。

まず99.9%そう。

しかし、彼女は違った。

「んもう、出し惜しみしとったな、こいつ!」だった。

クリストファー・クロスさんと小椋佳さんによって、「声」と「顔」のギャップをしこたま思い知らされ、裏切られ、傷ついてきたボクだっただけに、ZARDはうれしい誤算だった。

ちなみに、小椋佳さんは、初期のレコードジャケットに小倉一郎さんを起用していたことがある。

しばらくして、本人確認せざるを得なくなった時、ボクは本気で思ったものだ。

あれは詐欺だったと。

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