擬態語とは、事物の状態や身ぶりなどの感じをいかにもそれらしく音声にたとえて表した語。「つるつる」「じろじろ」「こっそり」など。
擬音語は物が発する音を字句で模倣したもの。「メイメイ」「ブーブー」「ドキドキ」「ガチャン」など。
これらは、かつてこのコーナーでも幾つか紹介した覚えがあります。
今日は、そんな擬態語、擬音語の融合語ともいえる、かなり秀逸な歌を紹介します。
橋幸夫・若草児童合唱団の『子連れ狼』をどうぞ。
ルルルルル……
台詞
小高い丘の城跡の崩れかけた東屋で、その子は父を待っていた。
この日の朝には帰るはずの父であった。
それが三つ目の朝となり、四つ目の夜が来て、
五つ目の朝が雨だった。
しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん
しとぴっちゃん
悲しく冷たい 雨すだれ
幼い心を 凍てつかせ
帰らぬちゃんを 待っている
ちゃんの仕事は 刺客(しかく)ぞな
しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん
しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん
涙隠して 人を斬る
帰りゃあいいが 帰らんときゃあ
この子も雨ン中 骨になる
この子も雨ン中 骨になる
ああ 大五郎 まだ三つ
しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん
しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん
どうですか、この「しとしとぴっちゃん しとぴっちゃん」という擬態語。
ホントに秀逸ですねえ。素晴らしい!
余談ですが、1番の歌詞に出てくる「刺客(しかく」のこと。
ボクは子どもの頃、意味がよく分からなくて、「ちゃんの仕事は四角」だとばっかり思っていました。
じゃあ、四角がどんな仕事なのですか? と問われれば、お恥ずかしい話、ひょっとして「豆腐屋」? みたいなイメージしか持っていませんでした。
次いきます。
ひょうひょうしゅるる ひょうしゅるる
ひょうしゅるる
寂しくひもじい 北ッ風
こけし頭を なでて行く
帰らぬちゃんは 今どこに
ちゃんの仕事は 刺客ぞな
ひょうひょうしゅるる ひょうしゅるる
ひょうひょうしゅるる ひょうしゅるる
涙隠して 人を斬る
帰りゃあいいが 帰らんときゃあ
この子も風ン中 土になる
この子も風ン中 土になる
ああ 大五郎 まだ三つ
ひょうひょうしゅるる ひょうしゅるる
ひょうひょうしゅるる ひょうしゅるる
さあ、この「ひょうひょうしゅるる」もいいですねえ。
どうでもいいけど大五郎、そろそろやばいことになってきましたよ。
台詞
六つ目の朝、霜がおりた。季節の変わり目をつげる別れ霜が
ぱきぱきぴきんこ ぱきぴんこ
ぱきぴんこ
雨風凍って 別れ霜(わかれじも)
霜踏む足が かじかんで
ちゃんを探しに 出て行く子
ちゃんの仕事は 刺客ぞな
ぱきぱきぴきんこ ぱきぴんこ
ぱきぱきぴきんこ ぱきぴんこ
涙隠して 人を斬る
帰りゃあいいが 帰らんときゃあ
この子も霜ン中 凍え死ぬ
この子も霜ン中 凍え死ぬ
ああ 大五郎 まだ三つ
ぱきぱきぴきんこ ぱきぴんこ
ぱきぱきぴきんこ ぱきぴんこ
ぱきぱきぴきんこ ぱきぴんこ
ぱきぱきぴきんこ ぱきぴんこ
<作詞 小池一雄>
最終的に大五郎が凍え死んだかどうかは別にして、「ぱきぱきぴきんこ ぱきぴんこ」もすごいなあ。
作詞の小池一雄さん、ほんとにほんとにすごいなあ。
そして、発音も難しいなあ。どうしても「ぱぴきんこ」と言っちゃうんだよなあ。
今日はこの歌をご紹介しましたが、気になっている擬態語、擬音語の歌は他にもいろいろあります。
例えば、マッチの『ぎんぎらぎんにさりげなく』の「ぎんぎらぎん」とか、森昌子の『越冬つばめ』でつばめの鳴き声「ひゅ~るり~、ひゅ~るり~らら~」とか。。。
また、書きますね。
追記)
今日は雨。
しとしとぴっちゃん、しとぴっちゃんである。
東京は24度もあるのにこっちは最高10度。
ぱきぱきぴきんこ ぱきぴんこ。。。
いい加減にしてほしい。