「あなたの布団の中から私のパンティーが出てきたわ」
そんなわけで、今日は「夜の営みの舞台」について書きたい。
もちろん男女の営みのことであるが、その舞台のことを、人はおのれの下半身の精力ステージに応じて、いろんな呼び名で呼んできたことだろう。
若かりし頃の舞台は「リング」と呼んでも差支えも語弊もなかった。オーバートークでもオーバーコートでもなかった。
激しい体と体のぶつかり合い、まさに白熱したリング上の「ファイト!」だった。
日本人であれば、その舞台を「土俵」と呼んで、体の穢れを祓ってから、シコ踏んで、塩まいて入床する習慣をお持ちの方も多いだろう。
和洋の違いはあれども、そこは神聖な舞台であり、格闘の場でもあり、「ぜいぜい、はあはあ~」荒い呼吸と、玉のようにしたたる汗が付きものだった。
赤コーナーと青コーナー、西方と東方、双方一糸まとわず入り乱れ、差し違え、差し渡り、時には水入り、取り直し、最後はタオルでゴングとなったものだ。
果たして勝敗はついたのかつかなかったのか、いずれにしても、WIN―WINの幕切れだった。
さて、今はどうだろう。
若くない今はもう「リング」とはほど遠い。「土俵」どころか「どーしまひょー」だ。
ましてや、競技場でもスタンドでもグラウンドでもない。
夜の営みの舞台は時代とともに大きく変わったのだ。
今は、ただの「しみったれた布団」。
どっちでするかだけの問題である。
「HOME」か「AWAY」か?
そして、悲しいかな試合頻度、つまり舞台回数も激減した。しょぼい序二段の相撲にも似て。。。
上演回数が激減し閉館の日も近い場末の名画座のようだ。
「あなたの布団の中から私のパンティーが出てきたわ」
朝、布団を上げながらそう言った妻の旦那は、きっとHOME好きなんだろう。
AWAYは苦手なんだろう。
それが隣の妻の床であったとしても。。。
誰だか知らないがきっとそうだ。
うん、そうに違いない。