そう言えば、ずっと手紙を書いていない。
それから、印刷された新聞や雑誌の文章を読んでいない。
みんな「デジタル」になったからだ。
手紙はメールで、新聞や雑誌はネットで読む習慣になったからだ。
『トト姉ちゃん』のおかげで『暮らしの手帖』に興味を持ち、書店で買ってしまった。
そして、久しぶりにインクの匂いのする「活字」を読んだ。
活字で表された「エッセイ」などを読ませていただいた。
「いただいた」と補助動詞を付けたのは、パソコンで同じ内容を読むよりも、はるかに手が掛かっているだろうなと、思えるからだ。
この本がボクのもとに届くまでに、たくさんの人の手を経ているだろうなと、思えるからだ。
その人たちの『汗』の匂いと「インク」の匂いのハーモニーが感じ取れるから、ありがたい。
そこに、パソコンのディスプレイやスマホの画面とか違う、「手に取ってみたい感」と「実際手に取れる感」があった。
手に取って膝の上において読んでみると、今まで知らなかったけど、読んでる自分の姿がミョーにかっこよかった。
かっこいいなあ。。。
そう思えた。
そしたら急に誰かにラブレターを書いてみたくなった。
それは高校時代でストップしている行為。
だが、相手がいない。誰に向かって書けばいいのだ。
しょうがないから、目先の手軽な対象者として「妻」を選んだ。
これなら、見つかっても誰にも迷惑が掛かるまい。
さあ、どう書くか?
安易なデジタル手段は使いたくない。
わざわざメールで「君が好きだよ」と打って送るほどボクは野暮じゃない。
やはり書くなら紙だ。「紙」に書こう。
だが、いくらなんでも広告の裏紙はいただけないだろう。
と思って便箋を探したが、これがなかなか出てこない。
そんなこんなで、だんだんやる気を失っていくボクだった。
ところで今日は死ぬほど暑い。
秋田市は38度ですって!!
ふと、あの歌を思い出した。
そうであった。
この時期、ラブレターは砂に書くべし。