「混ぜるな危険!」という言葉がある。
トイレ方面でよく見かける。
あれは小さい字で書いてあっても目を引く。
で、一体何と何を混ぜると、どーゆー危険が身に降りかかってくるのか、教えてほしくなる。
どうやら、塩素系の洗剤と酸性の洗剤を混ぜると有毒ガスが発生する恐れがあるということらしい。
それを聞くと、さすがにちょっと怖くなる。
ひるむ。
混ぜる行為は、どちらかというと安全なものだ。
例えば、絵の具で紫の色をつくるために、青い絵の具と赤い絵の具を混ぜる。
これは安全で平和的で芸術的な行為だ。
例えば、泥遊びで砂と水を混ぜる。
これも安全で友好的で牧歌的な行為だ。
自転車のパンク修理剤などで、A剤とB剤を混ぜるものがあるが、あれだってとても安全で生産的でエコ的な行為だろう。
あるいは、今朝も食べたのだが、納豆を混ぜる行為はどうだろう。
ねばりが白~い糸を引き、箸が重~くなるほど丹念に混ぜる行為はどうでしょうか?
これぞ「日本の朝の食卓」になくてはならない光景ではないでしょうか?
混ぜる行為そのものがすなわち、なくしてはならない「日本の原風景」であり、究極の「日本の美」なのだ。
ほっこり、あたたかく、ゆたかに、大和民族の心にしみいるのだ。
危険と対極にある言葉がこの「混ぜる」だ。
それだけに「混ぜるな危険!」という言葉は怖い。
「混ぜる」というすこぶる平和的な行為を全面的に否定し、その上、さらに注意喚起語の最たるものであるところの「危険!」をくっ付けることによって、その効果は絶大なものになるのだ。
今朝、ボクは熱~いなめこ汁を食べていて、思わずなめこをペロッと飲み込んでしまった。
「あぢ、あぢ、あぢ、あぢ~!!!」
となった。
皆さんもありませんか?
そーゆー体験。
思わずこんな言葉が浮かんだのだった。
「のどの奥危険!」