スルーとは「通り抜ける」ことだ。
「飛ばす」ことだ。
バスケやサッカーなどで「スルーパス」といえば、ボールを送る相手を一人飛ばしてパスすること。
でも、今日話題にしたいのは、「ドライブスルー」のことである。
クルマから降りることなく、運転席に居ながら、マイクに向かって注文し、お金を払ってそのまま持って帰れるシステムのことだ。
この言葉は、かつてファストフード業界の専売特許だった。
で、アメリカ的『便利さ』の代名詞だった。
あなた、乗ったままオーケーよ、降りる手間要りませ~ん。
しかし、本当にクルマから降りるのが困難な方ならいざ知らず、
足腰からピチピチ湯気が上がっているような若者までもが、いや、むしろそっちのほうが、このシステムを愛用していたきらいがある。
この「ドライブスルー」という、便利なのか単なる横着なだけなのかよく分からん仕組みが、今、いたる業種業界に蔓延し始めている。
まあ、酒や処方箋薬局までなら何とか許せる。
お酒は重いし、薬局はご病気の方が行くので。
それはまだ、『バリアフリー』という大義名分でもって自分を納得させることができる。
しかしだ。
これはどうでしょう?
最近、ある葬儀屋さんが始めたらしい「お焼香ドライブスルー」のこと。
なんとこれ、葬儀場に来て、一歩もクルマから降りずに、クルマの中で(まるでチーズバーガーをオーダーするような感覚で)お焼香を済ませるシステムらしいのだ。
さらに、この葬儀屋さんの話では、実際にクルマを降りられないようなお年寄りだけでなく、「多忙な若者」の利用も見込んでいるということだ。
う~ん。。。
そもそも、そういうお年寄りはそんなことせんでも、おうちできちんと手を合わせていればいいのではないだろうか。
それからその「多忙な若者」のことですが。。。
「あのね、そんなに忙しいんだったら葬式に来んでいいって!」
と、妻が申しております。