あけましておめでとうございます。
今年は「いのしし年」である。
今年の年賀状はそんな彼らの猛進するイラストが踊っていた。
僕が生まれたのは昭和34年。
その年も「いのしし年」だった。
だから今年は「年男」というわけ。
牙もないちっちゃな「うり坊」だった僕は今、立派な「大人のいのしし」になった。
「立派」かどうかはさておき、とにかく蒙古斑のごときトレードマークの「うり縞」は消え、牙も生え図体だけは大きくなった。
昔はあんなに可愛かったのにね、と思うこともしばしばの今日この頃。
さて「年男」と書いたが、年男は年男でも今年は特別な年男だ。
5回目の年男、すなわち「還暦」を迎えるからだ。
この年は男女ともに「大厄」といわれている。
それ故、魔除けの「赤いちゃんちゃんこ」を着るのだという。
赤いちゃんちゃんこを着て、好々爺顔でホゲホゲしている自分は想像できない、というか、したくないが、
今年は何か、赤いフレームのメガネとか、赤いパンツとか、そんなものを身につけて厄払いをせねばなるまい。
と考えていた矢先、
さっき、三吉神社に恒例の初詣に出掛け、おみくじを引くと、それが「大吉」だった。
僕の長い神社参拝史上初の「大吉」!
大厄なのに大吉?
こんな時に大吉?
神様は時として矛盾だらけのお告げをなさるものだ。
ただし、おみくじをよく読むと、やれ「油断するな」、「こういう時こそ気を付けろ」、
「軽挙妄動は慎むべし」などと、全面的にやたら「気を付けろ文体(注意喚起文体)」で書かれている。
「小吉」の妻よりも身が引き締まる内容だ。
さながら表彰台で説教垂れられている気分だ。
ちなみに妻は、例年どおり「コツコツ」の4文字と「努力」の2文字に染め抜かれたシブい内容だった。
そんなわけで僕は、今から始まる1年を、盛り上がっていいものか盛り下がっていいものかどうなのか、ヒジョーに複雑な思いで迎えている。
あ、ちなみに僕が大吉を引き当ててから、妻は僕のことを、事あるごとに
「ねえねえ、大吉さん」と呼ぶ。僕も、
「なんだい、小吉つぁん」と答える。
正月からまた「ばかな夫婦」が始まった。
今年もよろしくお願いいたします。
(追記)
冒頭に、今年は「いのしし年」である。と述べたが、毎日新聞社の校閲ブログに、
「亥? イノシシ?」というタイトルで、
「亥年」か「イノシシ年」か?
という話が出ていた。
言葉を扱う職業上、目を留めた。
こんなことが書いてある。以下、そこからの引用。
「えと」とは十干と十二支、すなわち「中国の上古に始る暦法上の用語」(ブリタニカ小項目事典)のこと。
年ごとに、日ごとに十干十二支が割り当てられており、2019年であれば「己亥(つちのとい、きがい)」、1月1日は「戊戌(つちのえいぬ、ぼじゅつ)」となります。
そのうち十二支に動物を当てはめたものが、いわゆる「十二支」として知られます。
19年の十二支は「亥」で、動物は周知の通り「イノシシ」が割り当てられているのですが、問題になるのはここ。
「亥年」=「イノシシ年」と言ってよいか?ということです。
十二支に動物が割り当てられたのは事の起こりも分からないほど古いことで、同一視してもよいという考え方もあるでしょうし、
本来の十二支は記号なのだからやはり「イノシシ年」はおかしい、という考え方もあるでしょう。
毎日新聞は後者の考え方をとっていますが、皆さんはいかがでしょうか。
ちなみに、ことなひまめ事務所は前者の「ごくフツーの考え方」を取っている。
いのしし年でいいもんね~。