雲を見ていると飽きませんね。
うさぎがゾウになったり、ゾウがヒョウになったり、ヒョウがバスになったり、バスがカエルになったり、カエルがうさぎになったり・・・。
カチッとした定型文のようなものは別として、いい文章というのは「しなやか」です。
しなやかな言葉が、しなやかな文脈の中で、生き生きと姿を変えながら踊っている感じ。
そのような文章は、読む人の心を伸びやかに、晴れやかにします。
まるでこの写真のような、晴れた真っ青な空に、形を変えて浮かぶ「雲」を見ているような気持ちになるからです。
伝えたいことが相手にキチンと伝わる文章がいい文章だと書いたことがあります。
それが基本です。
でも、それだけでは杓子定規な無味乾燥な文章になってしまいます。
言葉は生ています。
そして自由に羽ばたきたがっています。
そのようにさせてあげられるように、あなたはたくさんの本を読み(空を見て)、たくさんの言葉の意味と使い方(雲の変化)を知り、「言葉を羽ばたかせる術」を身に付けなければなりません。
時には、外に出て、雲をジッと見ているだけでもいいのです。
「あっ、煙突から笛を吹いたおじさんが現れた!」
そんな言葉が出てきたら「しめた!」です。
大人になればなるほど、雲は雲としか見えなくなっていきます。
だからこそ、そうした「ゆるやか」で「しなやかな」感性を大切にしてください。
言葉は感性の発露。
そしてそれを表現する「生きた道具」なのです。