これは、昨日散歩した時に撮った写真です。
ここが私の生まれたところ。
シンボルの山。
色づいてきた稲穂。
こんな秋田の農村で私は生を受けました。
誰にでも故郷があるように、「言葉」にも故郷があります。
それは、生まれて初めてあなたが発した言葉の記憶。
自分ではもう忘れているその記憶ですが、親から後で聞かされたことがある人もいるでしょう。
「まんま」
「とっと」
「ぶっぶ」
「ばっぱ」
「じいじ」
・・・・・・。
自分が初めてこの世に生まれてきた時のことを考えると、なぜかそれだけで感動的で、涙が出そうになるように、自分がこの世で初めて発した言葉は可愛くてかけがえのないものに思えますね。
何というか、自分の分身、自分の子どもみたいに思えてくるから不思議です。
あなたの初言葉は何だったんでしょうね?
それは誰に向けて、どんな目的で発せられたんでしょう?
同時に、あなたに向かって初めて発せられた「言葉」もあります。
それは間違いなく、あなたの誕生を祝福する言葉、愛情たっぶりの声でささやかれた『あなたの名前』だったはずです。
「初めての言葉」を口にした瞬間から、あなたはたくさんの言葉を覚え、使っていくようになります。
あなたが、やがて親元を巣立ち、故郷を離れていったみたいに、「言葉」も自立をし、あなたとともに成長と冒険を続けてきました。
時には他人の言葉に傷ついたり、自分の言葉で人を傷つけたりしながら・・・。
これは私の通った小学校です。
今では閉校になり、別の目的で使われようとしておりますが、今から40年以上前、私が初めてここで先生に呼ばれた言葉は、きっと「イトウヤスシくん!」だったはずです。
それが、やがて「こら、イトウ、廊下に立ってなさい!」に置き変わっていったのはザンネンです(笑)。
言葉の故郷、言葉の原点をあらためて思い起こし、自分の人生にも思いを重ねながら、最後にこの歌を聴いてみて下さい。大好きな『誕生』、中島みゆきさんです。