「オノマトペ」の起源は、ラテン語の「onomatopoeia」で、「名前を作ること」という意味です。
フランス語の「onomatopee」(オノマトペ)とは、擬声語(擬音語と擬態語の総称)のことです。
「擬音語」とは、物が発する音を字句で模倣したものです。
メーメー、ブーブー、ドキドキ、ガチャンなど。通常カタカナで表記されます。
一方「擬態語」は、状態や感情などの音を発しないものを字句で模倣したものです。
ばらばら、めろめろ、たっぷりなど。通常ひらがなで表記されます。
オノマトペ(擬声語)は、学術論文や公文書にはまず登場しません。
なぜかというと、オノマトペは、昔から「だらしなく幼稚で稚拙なもの」と見なされていたからです。
そのため、他の言語に比べて、日本語にはオノマトペは非常に少ないといわれています。
でも、「言葉のチカラ」という点で、オノマトペは非常に大きな武器になります。
これを使いこなすことで、文章に多彩な表情を生み出すことができるのです。
話術に優れた人の話を分析すると、オノマトペを巧みに駆使して話していることからも、それは分かります。
オノマトペの魅力は、リズム感があり、文章に感覚性を与え、いきいきとさせる点にあります。
また、新しい言葉をいくらでも作り出せるのも魅力です。これはオノマトペの原義(名前を作ること)と言えます。
「ハッパふみふみ」
「ピッカピカの1年生」
「君にクラクラ」など、どれもこれも新鮮で元気で色あせないな言葉たちですね。
谷川俊太郎や草野心平の詩には、それだけで作られたものもあります。
最後に、私が大好きな大正時代のコピーライターの、この宣伝コピーを紹介してボチボチ終わりにしましょう。
『風さささ 浪どどど 山風の懐にも 汐風の袂にも
忘れてならぬ 森永ミルクキャラメル』(片岡敏郎)
なんてステキなんでしょう!
旅に出て、キャメルを、思わずクチャクチャしたくなっちゃいますね。