1日だけ幸せでいたいならば、床屋にいけ。
1週間だけ幸せでいたいなら、車を買え。
1ヶ月だけ幸せでいたいなら、結婚をしろ。
1年だけ幸せでいたいなら、家を買え。
一生幸せでいたいなら、正直でいることだ。(野原ひろし)
家は一年。
木は十年。
人は百年。(中国の言葉)
どちらも「時間の目方」を考えるうえで含蓄ある言葉だ。
クレヨンしんちゃんのお父さんもいいこと言う。
後者のほうは、光文社から出版されて、ボクにも若干の印税なるものが入ったことがある(自慢)『父の目方』(宮本輝 選)の「はじめに」の中から抜粋した。
宮本輝は、五十になって初めて「人は百年」の意味が分かったという。
持って生まれたものばかりではなく、人生経験によって培われた世間知や常識や処世術も、勉学や読書や芸術鑑賞によって得た知能も情緒も、子は知らず知らずのうちに父や母から受け継ぐものが多いであろう。
ゆえに「人は百年」なのである。
生まれたての赤ん坊が三十歳となり四十歳となり五十歳となり六十歳となり、それぞれの花を咲かせるとき、その花の種は百年前に蒔かれてあったと考えるならば、今日生まれたわが子もまた、そのようにして人間になっていくのだと分かるはずだ。
宮本輝はそう書いている。
父を失った今、そして五十五にならんとする今、ボクはこの言葉の意味が少しだけ分かる。